ユーザー側で広告を非表示にできる「広告ブロッカー」 その実態と普及率
パソコンもスマホでも、Webサイトを訪問すれば大抵表示されている広告。最近は動画タイプの広告もアリ、わずらわしいったらありゃしない。こうした広告を表示させないようにするため、「広告ブロッカー」を使っている方もいるのではないでしょうか。
今回は広告ブロッカーの実態と普及率に迫っていきます!
広告ブロッカーでスマホやPCの広告を非表示に
広告ブロッカーはChromeやIEなどのブラウザにアプリとしてインストールし、利用します。仕組みは、あらかじめリスト化された広告配信元のドメインなどに沿って広告の表示をブロックしたり、「sponsored」などの表記に沿って一定のルールで項目を削除したりするものです。
「広告ブロッカー」を巡っては、広告が表示されなくなれば画面もスッキリし、画像読み込みの時間をカットできるためサクサクサイトが見られる(はず)と考えるユーザーと、広告表示の機会が減り、収益に悪影響が出ると考えるサイトオーナーのせめぎあいと言えます。広告ブロッカーは「Ad block」や「μBlock」などが有名です。
ここでそれぞれのツールをちょっと説明
「Ad block」
現在はAd block Plusという名前でPC版Chromeブラウザ用、FirefoxのアドオンやiPhoneのブラウザ用アプリとして出ています。Android用ブラウザのものはありません。広告を読み込まないようにするのが主な機能で、表示速度が速くなるわけではないようです。
「μBlock」
Safari, Google Chrome, Microsoft Edge, Mozilla Firefox, Operaで利用できるブラウザ拡張機能の一つです。Ad blockよりも広告非表示の性能が高く、かつメモリー消費量、CPUの使用量ともに少なくなるため、表示が軽くなります。
広告ブロッカーの普及は国内ではまだまだ
2015年に「広告ブロッカー」が一般化したのは2015年からで、つい最近の話です。日本でどのくらい普及しているかと言うと、2015年の時点で10%と、アメリカやドイツなどが軒並み20%を超えている所から見れば、低い数字です。
しかしたった10%とはいえ、広告を配信している企業からすると、気分の良いものではないですよね。
ただこの調査はスマホでニュースサイトを閲覧しているユーザーに対して行ったものなので、あまり参考になる数字ではないかもしれません。この数字が2016年には28%になると予測されていたようですが、肌感覚では10人に1人ないし2人いるかといったところでしょう。
他国では日本とは違ってアメリカやイギリスでは普及率が20%を超えており、実際にニューヨークタイムズなどの新聞社などが広告売上の減少という痛手を被っているといいます。こうした傾向を考えると、近い将来日本でも「広告ブロッカー」による損失が拡大する可能性があると言えるかもしれません。
広告ブロックを利用する人の傾向
これは世界共通の傾向ですが、男性の方が女性よりも利用率が高いという結果が出ています。加えて女性の場合、ニュースを閲覧するときWebサイトやアプリでニュースサイトを見るのではなく、SNSサイトのニュースを拾う人がはるかに高い比率で存在するようですね。
また広告ブロックを行うようになった理由で最も多いのは、広告配信量が多すぎるからだそうです。次いでユーザーを追跡してアクセス履歴から趣味趣向に近い広告を出す、リマーケティング、リターゲティングタイプの広告も嫌われているようですね。
年齢別では世界的に共通した傾向が出ており、18歳から24歳までがもっとも多く、ついで25歳から34歳が多く、35歳から44歳に至っては18-24歳の半分以下という傾向が出ています。ITに対して感度の高い若者が多くの高い割合を占めるのもうなずけるというか、なんというか。
まとめ
日本国内ではまだ少ないものの「広告ブロッカー」を利用しているユーザーに対して、Webサイトそのものを表示させない企業もあるようですね。
企業側とすれば無料で情報を提供し、その対価として広告を見てもらうことでコストが補完できるわけで、広告収益はサイト運営の要になっています。これはテレビと同じロジックなのですが、一般の視聴者はそれが無料であることを忘れがちで、サイト閲覧もしかりと言ったところでしょう。
とはいえ「広告配信」が悪として捉えられてしまっている側面が、少なからずあることは事実であり、今後、配信方法のあり方を問われる時代も近いかもしれませんね。
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