【2024年度版】オウンドメディアの効果と活用方法
2024.07.24 Posted by hosobuchi.m
近年、自社商品やサービスの認知と売り上げの改善を目的として、オウンドメディアの運用を行っている会社が増えています。実際に、オウンドメディアの運用体制を確立し、売上を出すことができた有名な企業が複数ありますが、オウンドメディアを運用したからといって、必ず成果がでるわけではありません。
しっかりと結果につなげるには、正しい運用方法を理解し、成功事例を参考にした課題の解決が必要となります。
今回は、自社メディアの運用を初めてやられる方に向けて、オウンドメディアとは、いったいどのようなものなのか、企業が立ち上げるべき理由や効果的な運用方法についてわかりやすく解説していきます。生成AIを使った2024年度版の最新のSEO対策についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
オウンドメディアとは何か?
オウンドメディアの定義
オウンドメディアとは、自社運用のメディアの総称のことです。通常、自社運用しているWebサイトやブログを意味しており、特にコンテンツマーケティングにおいては、自社管理で情報発信できるWebサイトのことを表すことが一般的です。
広義では、自社で配っている広報紙やパンフレットなどもオウンドメディアに分類されるため、Web担当者同士の会話では、その定義について一度明確にしておくことが大切です。
ペイドメディア、アーンドメディアとの違い
メディアの3つのフレームワークであるトリプルメディアのひとつにオウンドメディアがあります。
- オウンドメディア
- ペイドメディア
- アーンドメディア
一言にメディアといっても、それぞれに役割がありますので、その違いについての理解が欠かせません。それぞれのメディアの役割については、弊社のこちらの記事コンテンツでご紹介しておりますので、ぜひご参照ください。
オウンドメディアを立ち上げる理由
ブランド認知度の向上
中小企業を経営していると、「あの有名企業のようなブランディングを実現したい、認知度アップに効果的なことは何だろう」と思うことはないでしょうか。オウンドメディアは、自社運用のメディアであるため、自社のイメージとマッチする施策を展開することでユーザーの第一想起の対象になることができます。
第一想起とは、ユーザーが特定分野で最初に想像するイメージのことです。たとえば、「吸引力の高い掃除機はどこ?」と聞かれると、皆さん「ダイソンです」と答えます。現在、ダイソンは吸引力に優位性のある掃除機メーカーとして世界一有名なブランディングを実現しています。
オウンドメディアでも何度も情報発信することでブランドの認知度が向上したり、発信する内容によって認知度向上が加速したりしていきます。
顧客との信頼関係の構築
オウンドメディアは、顧客との信頼関係を高めやすいという特徴があります。企業とユーザーの距離が非常に近く、直接的なコミュニケーションをしているような感覚になりやすいからです。たとえば、次のようなコミュニケーションをすることで、自社のファン獲得に効果的です。
- お問い合わせの声を意識した、商品開発に関する発表をする。
- 困っているお客さまを見つけたら自社運用のSNSでメッセージを送る。
- ユーザーに喜んでもらえるような商品やサービスの開発経過を丁寧に説明していく。
- ユーザーの暮らしが豊かになるような知識を情報発信していく。
長期的なマーケティング効果
オウンドメディアによるマーケティングは、リスティング広告などの手法よりも長期的な効果が期待できます。どちらが即効性が高いかといわれれば、リスティング広告の方が、その効果を実感しやすいですが、運用方法を間違えれば、広告費を無駄にすることにもなりかねません。
一方で、オウンドメディアであれば、しっかりとSEO対策されたコンテンツを公開していけば、公開数に応じて上位表示の可能性が高まり、毎月膨大な広告費を支払わなくても長期的な効果を期待しやすくなります。
オウンドメディアの基本要素
オウンドメディアの運用では、次の3つの基本要素を意識していきます。
- コンテンツ戦略
- SEO対策
- ソーシャルメディア連携
それぞれの要素についてご説明します。
コンテンツ戦略
オウンドメディアでは、正しいコンテンツ戦略が欠かせません。運用目標を明確化し、ユーザーの要望や関心を理解していくことが非常に重要となります。
たとえば、自社の商品やサービスへ関心を寄せるメルマガリストの取得が目的であれば、ユーザーにとって参考になる専門的な知識の共有や疑問に対する解決策を提供するコンテンツが有効です。
SEO対策
オウンドメディアを通して自社のWebサイトに掲載される情報を閲覧してもらうには、検索エンジンの仕組みを理解し、検索結果で上位を取得するためのSEO対策が必要です。
最新の検索エンジンの仕組みについては、弊社のこちらの記事コンテンツでご紹介しておりますので、ぜひご参照ください。
【2024年3月】Google検索エンジンの仕組みから知るSEO対策
ソーシャルメディア連携
オウンドメディアへのアクセスを増やしたいのなら、投稿時に会社名や商品、サービスの名称を積極的に利用しましょう。また、キャンペーン開催時にも積極的にソーシャルメディア上で、情報発信することで、ユーザーからブランドとして認知してもらいやすくなります。
オウンドメディアの効果的な運用方法
次に、オウンドメディアはどうすれば効果的に運用できるのか、具体的な方法についてご説明します。
ターゲットペルソナの設定
オウンドメディアを運用する際は、自社の商品やサービスからイメージできるターゲットペルソナを設定しましょう。ペルソナを設定することで、ユーザーの具体的な要望をイメージできるようになり、社内での共通認識を持ちやすくなるからです。ペルソナの設定については、次のアクションが有効です。
- 既存顧客の属性情報をリサーチし、傾向を分析する
- 既存顧客が何を考え、何を解決したいのか明確にしていく
- 顧客とコミュニケーションをとっているマーケターや営業部署から具体的な情報を聞く
- キャンペーンを実施し、顧客と直接的なコミュニケーションを実施する
コンテンツカレンダーの作成
オウンドメディアの運用を開始したら、コンテンツカレンダーを作成してください。コンテンツカレンダーとは、いつ・どんな内容の記事を公開するのか、一括管理するカレンダーのことです。アクセス状況からリライトが必要な場合は、いつ対応するのかを具体的に記載していきます。
- 毎週月曜と木曜:新規記事公開
- 偶数週金曜日はリライト記事を公開
このような内容でコンテンツカレンダーを作成しておけば、コンスタントにWebサイト上に記事を公開することができます。
効果測定と改善サイクル
オウンドメディア上に記事を公開したら、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどを利用して、どのような記事にアクセスがあるのか分析してください。
特にアクセスの多い記事については、どのようなキーワードにアクセスが集まり、人気となっているのかしっかりと分析します。また、関連キーワードによってアクセスが期待できそうな場合は、リライトして集客力を高めていきます。
ChatGPTと生成AIを活用したコンテンツ作成
次に、ChatGPTと生成AIを使ったコンテンツ作成の方法についてご説明します。コンテンツ作成に、AIの力を活用するのはトレンドであり、効率的で良い選択といえます。
ChatGPTの概要と機能
ChatGPTとは、ユーザーの質問に対して、人間のように自然な対話形式で答えてくれるチャットサービスのことです。Web担当者の仕事の多くは、ChatGPTに質問すれば何らかの答えを得ることができます。(※もちろん人間の精査は必要です)
- 文章作成
- キーワードリサーチ
- 表作成
- 翻訳
上記、以外にも何でもできます。実際に、弊社でWebサイトを制作してみたため、よかったらご参照ください。
コンテンツアイディアの生成
コンテンツアイディアがなかなか出てこない場合は、ChatGPTに質問してみましょう。
- オウンドメディアに関連するキーワードを作成してほしい
- オウンドメディアに関する構成を作成してほしい
- この文章は本当にあってるの?
質問してはいけないことはないため、何でも質問して使い慣れることが大事です。
記事の原案作成
ChatGPTは、記事構成の作成が得意です。「オウンドメディアの運用について記事構成を作成できる?」と質問してみましょう。すぐに、原案を作成してくれます。のちほど、SEOフレンドリーな記事の構成を公開しますので、よければ参考にしてください。
翻訳と校正
ChatGPTに「英語を日本語に翻訳して」や「この文章を校正して」と依頼すると、翻訳はもちろん、文章が間違っている場所をすぐに校正してくれます。これらが無料でできるのは、非常に便利ですね。
生成AIを活用したSEO対策
次に、生成AIを利用したオウンドメディアのSEO対策の方法についてご説明します。
キーワードリサーチの自動化
ChatGPTを使うことで、キーワードリサーチを自動化できます。ChatGPTに「~というキーワードの関連キーワードをリストアップして。」と依頼してみます。今回は、オウンドメディアで依頼してみました。すると、下記の結果を得られました。
「オウンドメディア」に関連するキーワードをリストアップしますね。
- コンテンツマーケティング
- SEO(検索エンジン最適化)
- SNSマーケティング
- デジタルマーケティング
- サイト分析
上記以外にも25個もキーワードをリストアップしてくれました。まずは、リストアップされた情報からコンテンツの作成に着手すると効率的に進められるのではないでしょうか。
SEOフレンドリーな記事の作成
ChatGPTは、SEOフレンドリーな記事作成が非常に得意です。まずは、ChatGPTに「SEOフレンドリーな記事の作成は依頼できる?」と質問します。すると、下記の回答が返ってきます。「もちろん、SEOフレンドリーな記事の作成をお手伝いできます。具体的にどのようなテーマやキーワードを中心に記事を書いてほしいのか教えていただけますか?また、記事の長さやターゲットオーディエンスについてもご希望があればお知らせください。」
今回は、「オウンドメディアの運用方法」と答えました。すると、下記の返事のあとに次の構成を作成してくれました。
今回は、「オウンドメディアの運用方法」と答えました。すると、下記の返事のあとに次の構成を作成してくれました。「オウンドメディアの運用方法」というテーマで、SEOフレンドリーな記事を作成します。以下に記事の構成案を示しますので、ご確認ください。修正点や追加の要望があれば教えてください。
タイトル: オウンドメディアの効果的な運用方法とは?成功へのステップガイド
イントロダクション
オウンドメディアは、企業やブランドが独自に運営するウェブサイトやブログなどのメディアを指します。その運用方法をマスターすることで、ブランド認知度の向上や顧客との関係強化が期待できます。本記事では、オウンドメディアの効果的な運用方法をステップバイステップで解説します。
1. 目標設定
オウンドメディアの運用を始める前に、明確な目標を設定しましょう。目標には以下のようなものが考えられます。
- ブランド認知度の向上
- リードジェネレーション
- 顧客エンゲージメントの向上
- サイトトラフィックの増加
2. ターゲットオーディエンスの特定
どのような人々に対してメディアを発信するのかを明確にすることが重要です。ターゲットオーディエンスを特定するためには、以下の要素を考慮します。
- 年齢層
- 性別
- 興味関心
- ライフスタイル
3. コンテンツ戦略の策定
ターゲットオーディエンスに響くコンテンツを作成するための戦略を練りましょう。以下のポイントに注意してコンテンツを計画します。
- キーワードリサーチ
- コンテンツカレンダーの作成
- バリエーション豊かなコンテンツ(ブログ記事、動画、インフォグラフィックスなど)
4. SEOの実践
SEO(検索エンジン最適化)を取り入れることで、検索エンジンからのトラフィックを増やすことができます。以下のSEO対策を実践しましょう。
- キーワードの選定と適切な配置
- 高品質なコンテンツの作成
- 内部リンクと外部リンク
- ページ速度の最適化
5. ソーシャルメディアの活用
オウンドメディアのコンテンツを広めるために、ソーシャルメディアを積極的に活用しましょう。以下の方法でエンゲージメントを高めます。
- コンテンツのシェア
- フォロワーとのコミュニケーション
- 広告
6. データ分析と改善
定期的にデータを分析し、改善点を見つけて運用を最適化します。以下のツールを活用しましょう。
- Google Analytics
- サーチコンソール
- ソーシャルメディアのインサイト
まとめ
オウンドメディアの運用は、計画的かつ戦略的に行うことが重要です。目標を設定し、ターゲットオーディエンスに合ったコンテンツを提供することで、ブランドの価値を高め、顧客との関係を深めることができます。SEOやデータ分析を通じて常に改善を図りましょう。
これらの情報を一瞬で自動作成できました。もちろん、このあと工夫が必要ですが、構成のリサーチが非常に楽です。
トレンド分析と対応
ChatGPTは、トレンド分析と必要な対応についてアドバイスしてくれます。ChatGPTに「オウンドメディアの運用について、トレンド分析と必要な対応を教えて」と質問します。
トレンド:視覚コンテンツの重要性の高まり
視覚コンテンツ(画像、動画、インフォグラフィックス)は、ユーザーの注意を引きやすく、エンゲージメント率が高いです。
対応方法:
- 魅力的な画像の使用:記事やブログに適切な画像を挿入し、視覚的に魅力的なコンテンツを提供します。
これら以外にも、様々なアドバイスをしてくれます。
成功事例の紹介
次に、オウンドメディアの成功事例をご紹介します。
成功事例1:Airbnbの「Airbnb Magazine」
概要:旅行者やホスト向けのコンテンツを提供するAirbnbが運営している「Airbnb Magazine」。英語のサイトです。旅行先のガイド、ホストのストーリー、旅行のヒントなどを掲載しています。
成功ポイント:
- ターゲットオーディエンス:Airbnbユーザーに特化したコンテンツ
- コンテンツの多様性:ガイド、インタビュー、ヒントなど多様な形式のコンテンツ
- SEO戦略:旅行関連の検索キーワードを活用したSEO対策
成功事例2:レゴの「LEGOIdeas」
概要:レゴは、ファンが新しいレゴセットのアイデアを投稿し、投票を通じて商品化を目指すプラットフォーム「LEGOIdeas」を運営しています。
成功ポイント:
- ユーザー生成コンテンツ:ファンがアイデアを投稿し、コミュニティがそれを評価する
- インタラクティブ性:ユーザーが投票やコメントを通じて積極的に参加
- 商品化の可能性:高評価のアイデアは実際に商品化されるため、ユーザーのモチベーションを高める
成功事例3:サイボウズの「サイボウズ式」
概要:サイボウズは、企業文化や働き方に関する情報を発信するオウンドメディア「サイボウズ式」を運営しています。企業の透明性を高め、社員の声を積極的に取り入れています。
成功ポイント:
- 社員の声を反映:社員のインタビューやエッセイを通じて、企業文化をリアルに伝える
- 透明性の確保:企業内の出来事や方針をオープンに公開
- 読者参加型コンテンツ:読者からの意見や質問に積極的に応答
成功事例4:三菱電機株式会社の「DSPACE(ディースペース)」
概要:三菱電機株式会社は、宇宙開発について情報を発信するオウンドメディア「DSPACE(ディースペース)」を運営しています。
成功ポイント:
- コンテンツの提供:宇宙に詳しくない方でも楽しめるコンテンツを提供し、その魅力を知ってもらう
- 権威性の提示:国立天文台の副台長の渡部潤一氏に宇宙解説をしてもらう
- 特別対談:宇宙の始まりを語る特別な対談への集客
オウンドメディア運用のよくある課題と解決策
次に、オウンドメディア運用のよくある課題や具体的な解決策についてご説明します。
コンテンツの質の維持
オウンドメディアで情報発信をする以上、コンテンツのクオリティを最高レベルまで高め、その状態を維持してください。複数人で運用しているとコンテンツのクオリティが安定しないことがありますが、その場合はライティングマニュアルを作成してください。
ライティングマニュアルには、次のことを記載します。
- リサーチの方法
- 構成の作成方法
- コピーコンテンツにならないための注意点
- 文章の基本的な書き方
- 長文でも読まれる文章の書き方
- 使用文言のルール
このようなことを一つずつ作成していくことで、作業者が複数いても記事のクオリティを維持しやすくなります。
アクセス数の低迷
アクセスが低い場合、キーワード選定の仕方が間違っているのかもしれません。月間検索数の少ないキーワードで作成し続けても、多くのアクセスが得られません。
多くのアクセスを集めたい場合は、月間検索数の多いキーワードをリサーチして、そのキーワードを優先的に記事作成していきましょう。
コンテンツ更新の手間
自社でのコンテンツ更新が手間だと感じる場合は、記事作成を外部の方に依頼しましょう。特に、専門的なコンテンツについては、社内で記事作成するよりも、外部の専門家に依頼した方が、アクセスが集まりやすいことが多いです。
記事作成を外部に依頼できれば、投稿だけを自社ですれば良いため、多くの手間を軽減できます。
未来のオウンドメディア
次に、未来のオウンドメディアの形態についてご説明します。
2024年以降のトレンド予測
2024年以降のオウンドメディアのトレンドは、次のようになると考えられています。
- AIによる効率化:キーワードのリサーチから新規記事作成までをAIですべて効率化できると考えられています。
- モバイルファーストインデックス:モバイルファーストインデックスへのGoogleの完全移行によってモバイルフレンドリーなWebサイトの設計が欠かせないといわれています。
- 経験コンテンツの優位性向上:現在、どこかのWebサイトの情報をリライトしたような記事がたくさん公開されていますが、今後、経験に基づくコンテンツの優位性がますます高まるといわれています。
どこかのWebサイトのリライトだけで上位表示できるほど、オウンドメディアの運用は簡単ではありません。ユーザーに価値あるコンテンツとは何かを考え、トレンドに合わせて運用していきましょう。
オウンドメディアの運用を徹底的に自動化してみる
現在、オウンドメディアの運用で成功している多くの会社では、自動化できることは徹底的に自動化しているケースが多いです。
たとえば、Webサイトの分析ならAhrefsを使った方が効率的です。ユーザー分析ならClarity、アクセス解析ならGoogleアナリティクス、文書作成や表作成はChatGPTで自動化できます。このように、自分でやる必要のないことはすべて自動化した方が時間の余裕ができやすくなります。
どうしても自動化できない作業に集中することでオウンドメディアの運用は成功しやすくなります。
まとめとアクションプラン
オウンドメディアは、Webサイトを公開することが目標ではありません。自社にとっての目標を明確にし、課題をひとつずつ完了させることが大事です。
オウンドメディアの運用は、最初の体制構築の仕方で成功できるかが大きく決まってしまうので、まずは立ちどまって現状分析、課題を明確化して、できることから始めていきましょう。
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