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SGE普及でSEOやWebサイトの価値はどう変わる?制作会社のメンバーにも聞いてみた!

2024.05.23 Posted by

2024年の現在、AIは様々なサービスに組み込まれ、人々の暮らしを便利にしています。その影響はインターネットの世界にも大きなインパクトをもたらしており、私たちが普段利用するGoogle検索にも、SGEという形で新しい機能として実装され、検索体験のあり方が変わろうとしています。

もし、SGEが検索エンジンの主流となれば、SEOをはじめとしたWebマーケティングのあり方が大きく変わる可能性は高いです。そのためWeb担当者は、これまでのノウハウを使いつつも、SGEに沿った運用や施策が必要となってくるかもしれません。

今回は、SGEとはいったい何なのか、その特徴やSEOへの影響、Webサイトの今後の価値と意義について解説と推察をしてきます。

SGEとは?生成AIによるGoogleの新しい検索体験

SGEとは

SGEとは、Search Generative Experiencesの略称で、生成AIを利用した検索体験を提供するGoogleの新しい機能のことです。ユーザーが質問したことに対して、AIがその概要を返してくれます。

SGEは、2023年8月に日本での試用運用が始まり、2024年5月現在も続いています。SGEはスマホのGoogleアプリやデスクトップのChromeブラウザで有効設定にすることで利用できるようになっています。

SGEの特徴

SGEを使ってGoogle検索を利用すると、質問に対する回答以外にも情報元となるサイトや関連画像をいくつか選んでくれます。これまでのGoogle検索であれば、強調スニペットや上位表示されているWebサイトの情報がそれぞれ分かれて検索結果として表示されていましたが、AIによって検索結果の最上部に検索ワードに対する最適な情報が包括的に表示されるようになっています。

この時、人によっては「AIが独自で文章を作成しているのでは?」とその信頼性に疑問を持つかもしれません。
しかし、基本的にはインターネットに存在している既存サイトの情報を検索ワードに対して最適にまとめた結果を表示しており、引用元情報も記載してくれます。つまり、AIが独自で文章をゼロから作成しているわけではないので、引用元の情報も併せて参照することで理解度とその情報の確実性や信頼性も担保できるでしょう。

Google Bardとの違い

SGEを利用する人の中には、Bardをよく使っているという方もいるのではないでしょうか。SGEとBardは、Googleが提供する生成AIという点で共通点があるため、ほとんど同じようなサービスではと思っている方もいるでしょう。しかし、SGEとBardでは、共通点はあったとしても、大きな違いがあります。

それはBard はChatGPTと同様に「対話型生成AI」であるということです。例えば、プレゼン資料や説明書などのドキュメントのたたき台を作る際、AIとチャット(対話)することで情報が生成されます。一方でSGEでは、「ユーザーの検索結果に対して最適な結果をAIが生成している」ため、対話の必要がありません。
SGEは検索結果を表示することに特化したAIサービスであると考えると、その違いがイメージしやすいかもしれません。

検索体験の変化について

SGEは、ユーザーが質問した情報を次々と学習し、より良い検索体験が得られるように変化しています。今後は、AIの機械学習で次のようなユーザーごとにパーソナライズされた検索結果を表示できるようになるでしょう。

※下記は期待も込めた検索体験の変化の考察です。

  • 1万円のキーボードを調べていた場合、ユーザーのWebサイトの閲覧履歴や検索履歴を参考に、AIが1万円前後で買いやすいキーボード情報を表示してくれる。
  • 検索キーワード以外にも、検索する時間帯や位置情報を参考にAIがベストな検索結果を表示してくれる。
  • 高度な自然言語処理によって、ユーザーが知りたい情報やWebサイトのコンテンツを深く理解し、今までよりも非常に関連性が高い情報を提供できるようになる可能性が高く、その結果、SGEを使った検索により、さらに具体的、かつ効率的に問題の解決につながる検索体験が得られる可能性がある。
  • 検索して終わりではなく、検索ユーザーが検索結果についてアドバイスを行うことで、AIがそれを学習し、パーソナライズ検索エンジンが将来の検索結果を改善できる。これによって、ユーザーの再検索率の低下が見込める。



他にも、AIによって自然言語が自由に利用できるようになれば、チャットボットや検索ツールという枠組みはなくなり、今までキーボードの利用が難しかった高齢者などであったとしても、音声会話によってAIサービスを利用できる機会が大きく増えてくると思います。
少し飛躍した表現をするなら、スマホで何でも詳しく教えてくれるドラえもんのような機能が備わるイメージでしょうか。

SGEによるSEOへの影響を考察

今後SGEが普及していくことによって、SEOはどのような影響を受けるのか考察していきます。
まずはそれぞれのクエリへの影響について考えてみます。
※クエリはキーワードよりもさらに広い意味で「ユーザーが実際に検索窓に入力する語句や文章」のことです。

Knowクエリ(~を知りたい)への影響

Knowクエリとは、ユーザーが「~とは」のように特定の情報について調べたい時に利用されるクエリタイプのことです。以下の画像は「SGEとは?」の検索に対する、SGEの表示の例です。

 

 

ユーザーの検索クエリに関連した複数の回答やサイトのリンクなどがまとまって掲載されています。
個人的にKnowクエリは、他のクエリの中でもWebサイトへのアクセスが減る可能性が最も高いと考えています。上記のように「~とは」に対する回答は、ある程度どのページを見ても似た内容が書いてあるため、Webサイトへアクセスしなくても、ユーザーはSGEの結果で納得感を得て疑問が解決してしまうケースが多くなりそうだからです。
そのため、特にナレッジ系のコンテンツでページビューを集めているサイトは影響が大きいと推測しています。

ただし、Knowクエリでは、何でも表示できるわけではありません。ユーザーが知りたい情報に対して、ある程度一般化(概念化)した内容に限られてくるでしょう。
特にYMYL領域のようなEEATがより重要視されるコンテンツについては、ユーザーの検索行動はあまり変わらないとも思っています。

AIはWebサイトに表示されている内容を要約することで表示しているため、今後はAIが要約しやすいコンテンツ作成が必要になってくる可能性など、構成やライティングの仕方についても、定期的な見直しを行って、SGE最適化、なんて施策も流行ってしまう懸念が少しありますが、個人的にはそれはユーザーファーストでなくGoogleの理念に反する状態ともいえるので、そうならないことを願っています。

Buyクエリ(~を買いたい)への影響

Buyクエリとは、「1万円以下のキーボード」のようにユーザーが何かモノを買いたい時に利用される検索クエリのことです。こちらのクエリは、売上に直結するため、多くのWebサイトがSEO対策を行っており、SEOの難易度が高いクエリです。

現時点では日本版ではSGEが生成されず、米国版では検索クエリに沿っておすすめ商品などを生成するようです。そのため、Buyクエリと関連性の高いアフィリエイト記事では特に影響が出る可能性が高いと考えています。
アフィリエイト記事は、特定の商品を記事の中でおすすめ商品として紹介し、商品ページのリンクを張っています。そしてユーザーがそのリンクを経由して購入や資料請求などのアクションが完了した際にコンテンツオーナーに成果報酬が発生するというものです。
実際に、「1万円以下のキーボード」などのBuyクエリを通常のGoogleで検索してみると、アフィリエイトのランキング記事が上位表示しています。アフィリエイトの多くは、「今すぐ商品を買いたい」という購買意欲の高い顕在層に向けた検索クエリを意識して記事作成されていることが多く、そのページに表示されているリンクは、ユーザーの検索履歴や閲覧履歴とはまったく関係のないもの(パーソナライズされていない情報)が表示されています。

そのため、SGEのパーソナライズ技術が今後発展した際、ユーザーはアフィリエイト記事を見ずにSGEの結果から商品を選択するようになるということも予想されます。
検索エンジンではないですが、個人的に音楽アプリのSpotifyの優位性として、サジェスト機能が優れていると感じています。
履歴に基づいて好みに刺さる曲をおすすめしてくれることが多いので、SGEも今後の進展によってはその感覚に近いものになるかもしれません。

また、Buyクエリでは、大手通販サイトの情報も上位表示されることも多いです。このようなサイトは指名検索以外にも自然検索によるアクセスが売上につながっているため、アフィリエイト記事以外にもECサイトにも一定の影響が考えられるでしょう。現在はSGEの検索結果にECサイトへのリンクが表示されるため、そこが実質的な広告枠であるともいえるため、広告にも影響があるかもしれません。

Goクエリ(~に行きたい)への影響

Goクエリとは、特定のエリアやWebサイトへのアクセスを目的としているクエリのことです。現在はBuyクエリ同様に、日本版ではこのクエリではSGEが生成されず、米国版ではGoogleビジネスプロフィールを元にした情報が表示されるようです。
そのため、恐らく今後日本語版でも同様の表示結果が想定されるので、今のうちから情報の見直しや拡充をしておくと良いでしょう。

Doクエリ(~をしたい)への影響

Doクエリとは、特定のアクションを取りたい時に利用される検索クエリのことです。具体的なアクションや問題への解決策を求める際など、検索頻度も多いクエリです。
こちらもまだ米国版での生成のみですが、Goクエリと同様にビジネスプロフィールの情報を基に生成されているようです。
そのため、同じく情報の拡充や、関連情報を追加で調べるユーザーをターゲットにしたコンテンツの準備などは効果があるかもしれません。

このような検索結果から、さまざまなWebサイトの情報が組み合わされることで、検索ユーザーの質問に対して、具体的で問題解決に役立つ情報が表示されていることがわかります。

また、SGEの検索結果では、問題の解決につながる動画のリンクが表示されているため、具体的な解決法を知りたい方は、動画を参照することもできます。今後のSEO対策においては、具体的な情報であることはもちろん、実用性の高い動画や参考情報の提供が重要なポイントとなってきます。

SGE普及によるWebサイトの今後の価値と意義

現在、SGEは試用運転という状況ですが、先述の通り、今後SGEの普及につれてWebサイトの在り方にも下記のような影響が出てくると思います。

Webサイトの将来性と価値

SGEについて知れば知るほど、これまでのようなWebサイトのSEO対策に将来性はあるのかという疑問をもってしまう方もいるかもしれません。今後、どれだけSGEが主流になったとしても、SEOにはまだまだ将来性、必要性はあると考えています。

その大きな理由のひとつに、これまで何度も行われてきたGoogleアルゴリズムの変更の際にも、SEO観点だけは大きく変更されていないという事実です。つまり、SGEの時代が到来したとしても、有益なコンテンツを公開し続けることで、上位表示されることには変わりありません。

また、Googleの調査によれば、SGEを利用する検索ユーザーは、AIによって最低限の情報を得つつも、Webサイトへアクセスできることを評価しているとのことです。つまり、検索ユーザーの多くは、上位表示されている信頼性の高いWebサイトから正しい情報を得たと思っているということです。

このことは、特に指名検索が増える大きな要因になるのではないかと考えています。
例えば、「○○ サービス おすすめ」のような検索に対して、SGEと関連サイトの情報(○○におすすめのサービス10選など)だけでそのサービスを利用することを意思決定するユーザーは少ないと思います。
そのため、SGEでおおまかに情報を確認した後、ほとんどのユーザーがそこで気になったサービスを指名検索(サービス名を直接検索窓に入れること)して吟味していくという行動が考えられるからです。

このような背景から考えて、クエリによっては大小影響が出る可能性がありつつも、SGEが主流になることで、Webサイトの必要性は高まっていくと考えています。

WebサイトはAIへの対策が必要となるのか

SGEが主流になれば、Googleのアルゴリズムそのものが大きく変わる可能性もあるため、その時代に合ったSEO対策が求められます。SGEの検索結果では、検索ユーザーの求める情報を提供しているWebサイトがAIに回答として選ばれることで表示されているため、リンクとして表示されるかが大きなポイントとなってきます。

もし、AIの回答として自社のWebサイトが表示されれば、Googleから高く評価されていると考えていいでしょう。そのようなWebサイトには、AIの回答だけでは満足できない信頼性の高い情報を求める検索ユーザーからのアクセスの可能性が増加すると考えられます。

Webサイトの作成方法に変化が生じる

SGEが主流になれば、検索ユーザーの検索体験の変化がWebサイトへのアクセスや売上に影響する可能性があります。なぜなら、AIが表示する回答だけを閲覧して情報収集やめてしまう検索ユーザーが増加すれば、検索結果に表示されているWebサイトを閲覧しようとする検索ユーザーが減少するからです。

SGEが主流となっても、Webサイトへの集客を維持するには、AIが上位表示したいと思える設計にしておく必要があります。AIがどのような回答を選ぶのかをデータ分析し、何を評価しているのかを調べることで、AIに選ばれるWebサイト作成がしやすくなり、検索ユーザーのアクセスアップが期待できます。

製品評価の重要性が増加する

SGEでは、ユーザーの製品やサービスの評価が検索に影響を与えると想定されています。なぜなら、ユーザーに評価されているということは、AIとしても安心して検索ユーザーに製品やサービスを紹介しやすいからです。

これまでもユーザーの評価は、SEO対策における評価項目のひとつでしたが、SGE後は今以上に高評価を得るための努力が必要となってくるでしょう。

アクセスの減少は、別マーケティングで対策していく

SGEでは、検索エンジンからのアクセスに大きな影響がでる可能性があります。そのため、大きな影響を受けないうちに、別のマーケティング展開も同時並行して進めることが大切です。

たとえば、ECサイトにおいて、自然検索で多くのアクセスを集めているのであれば、SNSによるマーケティングも同時並行で進め、自然検索以外の集客数を増やすことで、売上を維持しやすくなります。

SGEについてどう考える?Web制作会社のメンバーにきいてみた!

弊社ウェブラボのディレクターに、SGEについて3名にインタビューしてみました!

T.M (ディレクター歴2年目)

「SGE」は情報を比較して検討する際にすごく便利な機能だと思いました。
知らない事を体系的に知りたい時にぱっとまとめて出してくれるのはすごく助かります。

ただ検索の内容によっては解決方法が一つではない問題などもあると思うのでそういう場合、どういう答えを出すのか気になります。

例えば体調が悪くなると、症状を調べて何科に行こう・・等、
対処法を調べるかと思います。
その時に研究段階のことや、記事によって解決方法が違う時に
ちゃんと正しい答えは出せるのでしょうか。
その辺はまだ曖昧だと思うので今後、正しい解決法がルールに沿ったコンテンツとして認識されていくと良いなと思いました。
またコンテンツを作っていく立場としては、「EEAT」を意識してより誠実な内容を作っていきたいと思いました。

M.S(ディレクター歴3年目)

SGE改めAIオーバービューがとうとう提供開始ですね。
要約してくれた上に検索結果をもとにそのまま対話ができるとはすばらしいです。
有名映画のように自立型AIが業務をアシスタントしてくれる日も近いかもしれませんね。
やはり気になるところは今までのSEO対策がどのように変わってくるかだと思います。
しかし、SEOの定義が何度も見直されてきたように、オールドドメインの使用など小手先
の対策はすでに通用しなくなってきています。
ユーザーの求めているであろう情報を常に意識して「EEAT」(専門性、信頼性、権威性、
信頼性)を踏まえたコンテンツ制作を行い、サイトの品質そのものを高めることが一番で
はないでしょうか。
そんなことを書いているこのコメントも実は生成AIが作っている…なんてこともあるかも
しれません。
第三次AIブームと言われていますが今後どのように進化していくのか目が離せません。
まだSGE未体験の方は是非一度使ってみてください!

H.M(ディレクター歴4年目)

SGEが普及したら、多くのWebサイトへの流入は減少するのではないかと思っています。
SGEが表示した結果で、多くの人は満足し、さらにサイトへ移動してまで情報を取得しようとする人は少なくなるような気がします。(情報の「種類」にもよりますが)
その分、サイトの平均滞在時間が増えたり、直帰率が減ったりすることも想像できるので、「Webサイト」に対する価値が「下がる」ことはあまりないと思っていますが、「価値が変わる」ことはあると思います。

そうなったらWebサイトの構成や、掲載情報、レイアウトのトレンドも大きく変化する可能性があるので、「SGEの普及」と「Webサイトのトレンド」の移り変わりに注視していくのも、今から面白いかもしれません。

まとめ

 

現時点では、SGEは試用期間となっていますが、正式に採用されれば、Google検索におけるユーザー行動は大きく変化してくるでしょう。Web担当者はその変化に合わせて、Webサイトの改善が必要となってきます。

SGEが採用された後の対策としては、EEATをより意識したコンテンツ制作や、Googleビジネスプロフィールの改善や拡充、関連情報を追加質問するユーザーに向けたコンテンツの用意など、少しテクニカルなものも出てくるでしょう。

ただどれだけ技術が発展しても、Googleのビジネスモデル上はユーザーファーストが絶対である限り、SGEやAIでなくユーザーに最も有益な情報が優位という基準はこれからも変わらないと思います。

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